移住者インタビューINTERVIEW

Vol.6 市民に愛される大学で、人と本の豊かな出会いを

世界を見て、年齢を重ね、改めて北海道へ

 子どものころからマザー・テレサに憧れ、大学・大学院と文化人類学を学んでいました。ブラジルへの留学が決まっていた20歳のとき、高齢で何度も心臓手術を受けたマザー・テレサに、いまこのタイミングじゃないと一生会えないと思い、ブラジルではなくインドに向かいました。それからは長期休暇ごとにインドのコルカタでボランティア活動をする学生生活でした。卒業後は講師として学生に教え、大学から社会人までと札幌の生活が長かったのですが、その後、ゆかりのあった秋田県の国際教養大学(AIU)に勤務しました。AIUの図書館は文系の大学では珍しい24時間365日開館を実現しているんです。その建築や運営なども含めて全国的に注目されている図書館でしたし、仕事にとてもやりがいを感じていましたが、年齢を重ね、故郷である北海道への想いが高まっていきました。その流れで知ったウェブサイトで名寄市立大学の図書館専門職員の募集を見つけ、「あ、自分に合う仕事だ!」と感じて、応募をしたのが名寄との出会いです。

教育に力を入れている街、市民に愛されている大学生

 名寄に初めて来たのは採用試験の時。試験前日に大学を訪れたのですが、3万人以下の街にこんなにパワフルな大学があるなんてと驚いて。教育にとても力を入れている街だなと感じました。おそらく日本で一番小さな自治体が設置している大学ですよね。実際、勤め始めてからも感じるのは、大学生が本当に市民に愛されている、支えられているということです。さまざまな大学を見てきましたが、地元の人が大学生のことを「大丈夫かな?」「困っていることはないかな」と学内のことだけでなく、生活面でもこんなに気にかけて、大事にしてくれるところはそんなにないんですよ。名寄市立大学の学生たちは幸せだなと思います。名寄の人たちは、親切でおおらかな方が多い印象です。そして、距離感が良いですね。パッと受け入れてくれて、でもこちらが一定の距離感を必要としていたら、それを尊重してくれるんです。これからは興味のあるところに積極的に参加していきたいなと思っています。大学の外では「マサシナイトラン」という市民のランニングコミュニティに緩やかに参加しています。

専門性の高い大学ならではの図書館づくりへ

名寄市立大学の図書館は、1階が「ラーニングコモンズ」と呼ばれていて、ディスカッションやプレゼンテーションができる能動的な学修空間となっています。2~3階は市民の皆さんも活用できる図書館です。栄養、保育、社会福祉、看護と専門職養成の大学なので、図書館の蔵書も専門書、学術雑誌を揃えています。学生、市民はもちろんですが、市内や近隣市町村の医師や看護師、栄養士などの専門職の方にもご利用いただくことを想定しています。オンライン・データベースを利用して論文検索・閲覧もできるので、市民や看護等専門職のみなさんに向けて利用講習会も行いました。使いやすさももちろんですが、人と本との良い出会いが生まれる場所を提供していきたいと思っています。最初にお話したマザー・テレサとの出会いのきっかけとなったのは、実は両親からプレゼントされた本なんです。10歳の時に読んだ『マザーテレサ、愛に生きる』という一冊がこれまでの私の人生を導いてくれたように感じています。図書館の司書という仕事も、振り返ってみるとこんなところに原点があるのかもしれません。

プロフィール

西田 麻衣子

1974年北海道大樹町生まれ、2017年移住。名寄市立大学図書館副館長。

名寄に来て驚いたのは除雪の技術!雪がたくさん降る地域ですが、夜中から道路がきっちりと除雪されていて、出勤時に困ることはありません。夏は30℃を越える日があり、冬もキリリとした寒さですが、そんな気候の厳しさを越える良さがある街です。

名寄市立大学図書館
  • 名寄市西4条北8丁目1
  • 開館時間:9:00-21:00(9:00-17:00の場合有)
  • 開館日:月~土(臨時休館有)
  • 電話:01654-2-4194(代表)
  • WEB:名寄市立大学図書館

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