Vol.11 大好きなスポーツを仕事に。子どもに楽しく働く姿を見せていきたい
地域に密着したインストラクターとして働く
私はフィットネスのインストラクターとして、駅前交流施設「よろーな」やスポーツセンターなどでレッスンをやっています。名寄に移住してきた当初は人が集まるか不安でしたが、バレエの要素を取り入れたトレーニング「バレトン」や、バーを使いながら身体全体をほぐしていく「からだバー🄬」には美意識の高い女性たちに人気なんです。
他に、スポーツとまちづくりを推進する名寄を拠点にした団体「Nスポーツコミッション」と協働して親子向けのプログラムも提供しています。子ども、特に小学校に上がる前の子どもにしっかり身体を動かしてもらうことが大事だと思っているので、力を入れています。同時に20~30代の親世代にもその大事さをわかってもらえないといけないので、両方にアプローチしているところです。
子どもとの時間を大切にしながら、自ら動いて始める
結婚して名寄に来ることが決まった時、すぐにスポーツセンターに連絡したんです。「スポーツの経験を活かして働ける場所はありますか」って。旭川ではフィットネスクラブで働いていたので。そうしたら、地元のスポーツ団体やスポーツショップの人たち、地域でまちづくりをやっている人たちやインストラクターさんを紹介してもらって、移住の前からあっという間につながりができました。なので、割と早い段階でピラティスのレッスンを始めたり、道北地域のインストラクターさんたちが主催する「ファミリーフィットネスフェスタ」というイベントに助っ人として参加させてもらったりして。
旭川ではフリーのインストラクター同士が情報交換したり仲良くしたりということは少ないように思いますが、ここではこんな風に一緒にイベントをやったり、想いや悩みを共有できてうれしいですね。あと、前田さん(今回の取材でも撮影をしてくださっているカメラマン)のように、子どもとの時間を大事にしながら、起業されている女性が身近にいるのもとてもよかったです。私も昨年子どもが生まれて、レッスンに連れていくので、働き方が似ているなと思っていて。
スポーツを通して、子どもたちの可能性を引き出したい
現在は名寄のニーズに合わせて30~50代の女性向けのプログラムが中心ですが、これからは子ども向けのクラスにも力を入れていきたいと思っています。子どもの10年後を考えた体づくりをサポートしたいなと。
実は私、陸上クラブに所属していた小学生のころから、ただ走るだけの練習に疑問を感じていて、プロのトレーナーがいれば私たちの未来が変わるかもしれないのになぁと思っていたんです。さらに中学時代、通っていた英語教室の先生の教え方がとても上手で、成績が驚くほど上がり、人生が変わった!と強く感じる経験がありました。そのときに、「大好きなスポーツを通して一人一人の未来を変えたい、子どもたちの可能性を引き出す仕事がしたい」と思ったんです。高校卒業後は自衛隊を経て、目標を形にするために旭川のフィットネスクラブで働きながら学び、今に至ります。
先日、生徒さんに「あゆみさんに出会えてよかった」と言われたんですよね。彼女はお子さんと一緒にクラスに来てるのですが、お子さんも運動が好きになってくれたみたいで。「お母さん、今日運動するよ!」と子どもが自ら行動するようになって、彼女自身も外に出る機会が増えたとの報告でした。本当にうれしかったですね。
自然の中で、地域で子育て。家族のような街へ
名寄は住みやすい街です。徳田地区にある大手量販店の周りには、100円ショップやホームセンター、衣料品店に電器屋さんなどが並んでいるので、1回車を停めれば事足りて無駄がないですね。とにかくオススメなのは散歩です!旭川時代からランニングの習慣があるのですが、最近は子どもを抱っこして、冬はソリに乗せてお散歩しています。車が少ない道も多いし、景色もよくて心地よく歩けます。もう少し、子どもたちが遊ぶ施設が街中にあればなぁとも思いますが、自然が多くて気持ちがいいし、なかったらないなりに、工夫して遊ぶ子が増えていったらいいかな。
あと、優しい人が多いですよね。妊娠中には買い物先で「荷物もってあげるよ!」とよく声をかけてもらいました。赤ちゃんや小さい子が多いからか、みなさん慣れてますね。私が住んでいるエリアも子どもが多いので、預かってもらったり、預かったりと、みんなで子育てしている感覚です。
将来、名寄全体が、家族のような街になっていくといいなぁと思います。子どもだけでなくおじいちゃんもおばあちゃんも、自然と関わり合えたりできたりみんなで支え合えるような街にするために、私も活動していきたいと思っています。
プロフィール
山本 あゆみ
1991年北海道遠軽町生まれ。2018年に移住
子どもが生まれてから、ママ友達と31日にアイスクリームショップ「サーティーワン」に集まる会を始めました(笑)。来れる人だけ集まっておしゃべりするというゆるい会ですが、楽しいですね。こうやって気兼ねなくすぐに会える友達がいるのはありがたいです。