Vol.8 北国子育てのホントを語るありのママトーク
今回お話してくれた3人
◆前田 久枝さん (写真左)
名寄市出身。旭川市で第二子を授かったのちにUターン。ベビーマッサージやベビーフォトなどお母さんと子どもの癒しのサービスを提供する傍ら、看護師として高齢者ケアにも従事。8歳、6歳、3歳児の母。
◆北村 慶子さん (写真中央)
名寄市出身。夏はアスパラ農家をしながら、市内の手作り雑貨グループ「マゼコゼノハコ」を立ち上げてワンデイショップなどを開催。100人規模の未就学児・小学生が通う自主運営の水泳教室「きらり」で昨年まで代表を務めた。9歳、5歳児の母。
◆山下 なつ実さん (写真右)
神奈川県出身。獣医の資格を持ち、牛の仕事がしたくて北海道へ。同じく獣医の夫の転勤と共に名寄市へ移住し、最近、家を建て定住を決めた。現在は名寄保健所で食肉検査などの仕事に従事。7歳、3歳、1歳児の母。
買い物、病院、習い事。必要なものがコンパクトにまとまっている街
前田:「私と慶子さんはUターン組ですけど、なつ実さんは東京ですもんね」
山下:「そうですね。牛の仕事をしたくて北海道に移住してきたんです。最初は浜頓別に赴任して、その後、同じく獣医の夫と一緒に上川管内(旭川を中心とする北海道中~北部の行政区)を転々としていました。名寄は2回目の赴任なんですが、家を建てて定住を決めたんです」
北村:「なつ実さんの旦那さんとうちの夫、去年は一緒にスキーに行ってたよね」
山下:「そうそう!夫はスキーが大好きで、毎年ニセコに行ってたぐらいなんですよ。家を建てるなら、スキーができるところがいいって言って。名寄は雪質が最高ですし、仕事が終わってからサクッと滑りに行けるし、良いんですって」
北村:「なんか、彼らはスキー滑ってたら、言葉とかいらないらしいよ」
全員:「男子!(爆笑)」
前田:「でも旦那さんのお仕事、転勤の可能性はまだあるんですよね?」
山下:「うん、上川管内だけど。それでもやっぱり名寄に決めたんだよね。大手量販店もあるから買い物が便利だし、総合病院もあって。小児科が近くにあるって本当に心強いの。別の赴任地にいたときに、子どもが頭をぶつけて患部が凹んだことがあって。夜中に2時間、名寄の病院まで車を走らせたことがあったんだよね。ほんとに、不安で、怖くて、長くて。その記憶があるから、病院の重要性をシミジミ感じます」
北村:「東京とかに住んでいたら、実際のところ名寄ってどう?不便じゃない?」
山下:「全然!もっと小さい街に住んでたときもあったからかもしれないけど、必要なものがコンパクトにまとまっているから困らないし、田舎特有の閉そく感も感じないかな。旭川も車で1時間半、札幌にも特急で3時間だし、都会に出るのも北海道の中では近い方だよね。逆に『今月は札幌行こうか!』みたいな楽しみになったりして」
北村:「どこにも大体、車で10分で行けるじゃない?それ、すっごくラクだよね。私、車の運転が苦手なんだけど、名寄は道幅も広いし複雑じゃないから運転しやすいし」
前田:「こないだも、子どもと一緒にイベント行くのに『あ~遅刻する~』とか思いながら10分前に出たら、開始前に着いちゃって(笑)」
山下:「他の街だと、子どもの習い事の送り迎えにも時間がかかったりするんだよね。子どもを送って帰ってくるのに30分かかったら、もう、すぐに迎えに行かなきゃ!みたいな」
北村:「上の子と下の子の習い事もヤリクリしながら同じ曜日に入れられたりできて、本当にラクチン。たまにJRとかで移動すると持ち物も増えるし、1つのことやるだけで疲れちゃう」
前田:「車にシートとか積んで、移動の途中で公園でランチ食べたりとかね」
山下:「私もいつも積んでる!コンビニのおにぎりとかでも別に良くて、『あ、今日は天気いいから外で食べようか』ってね」
自然の中で満たされ、人との関係性で安心する。子育ても自然体で
山下:「私、自然がある中に住みたいと思って今の家の場所を決めたんです。両親はいま東京に住んでいるんですけど、東京っていろんなもがたくさんあって、たまに行くとちょっと疲れちゃうんですよね~(笑)なんというか、のんびりとご飯食べて、大きな公園で遊んで、ゆっくり木を見ながらお話しして、そういう時間が本当に豊かだなぁ、そういう場所に住みたいなぁと思って。旭川も考えたんだけど、やっぱり名寄になりました」
前田:「最近は札幌に遊びに行っても、中心街でお買い物!というより、ちょっと郊外にあるこだわりのお店やカフェのほうが気になるようになったかな」
北村:「あれもこれもお買い物!とかならなくなったのは、やっぱり日常が満たされているからじゃないかなぁ」
山下:「名寄は、食べ物もおいしいし、目の前の自然は大きくて四季もしっかり感じられて。沖縄とは違うゆっくりというか、じっくりとした印象なんですよね。定住を決める時には不安はあったけど、こうやって友達もできて、いいご近所づきあいもできて。そうそう、名寄は転勤族も多いから、外から来た人にやさしいよね」
北村:「転勤してきた直後の、最初の不安や寂しさがわかる人が多いからかもね。ランチ会でもイベントでも、初めての人に声をかける人が多いなと。地元で生まれ育った人たちとの隔絶感もないですしね。去年のブラックアウトの時にも情報交換しながら助け合ったりして。何かあったらいつでもウチにおいでって言える関係性って、ホッとするよね。」
山下:「自然の厳しさを知っているから、助け合えるのかな。冬はやっぱり寒いですしね」
前田:「やっぱり雪は大変だった?」
山下:「最初は。でも、名寄の雪ってサラッサラで軽いから、除雪もそんなに大変じゃないんですよね。車の運転も、道がきれいに除雪されているから不安じゃなかったし」
北村:「あと、私が満たされているところでいくと、エンレイホールでのコンサートとか催しが本当に癒しなの!けっこうすごいアーティストが来てくれていて、それがお手頃価格で楽しめちゃうんだよね。今年は誰が来るのかな~とか、興味のないジャンルでもとりあえず行ってみて、世界が広がったりとか。田舎でも一流の文化に触れられるっていうのは大事」
前田:「適度に都会なんだよね。だから、新しいことをパッと始めても変な目立ち方もしないし、良い方に捉えてくれる人も多いよね。私もベビーマッサージやベビーフォトの仕事を自分でしていますけど、口コミで広がって、地方の子育て支援センターや福祉関係の集まりなんかに呼んでもらったりもしてます」
山下:「名寄はいろんな人がいるし、子育て世代も多いよね。静かな田舎は憧れだけど、若い人が少なかったりするとやっぱり不安になっちゃいます。そんな意味でも、私が子育て中に支えられたのは、ママたちの横のつながりもできた『どろんこハウス』と『のぐち母乳育児相談室』。どろんこハウスは元々、先生と親御さんがサポートしあいながら自然に触れ合うような子育てをしたいという想いで立ち上がっているので、泥だらけになって、時に病気もするんだけど、子どもたちが本当にのびのびしてるの。先生と親御さん同志のフラットな関係性が、近くに親がいない私にとっては精神的なよりどころでした」
前田:「野口さんは大手量販店の『赤ちゃん相談室』でも定期的にいらっしゃいますもんね」
山下:「そうそう、母乳・授乳の相談もメインでやっているんだけど、赤ちゃんが小さいときには出張もしてくれたりするんです。赤ちゃんが少し大きくなったときにも、野口さんから『ランチ食べつつ母乳の話するけどどうですか~』って誘われて、それをきっかけで外に出るようになったりして。ネットとかテレビもあるけど、人と話すって、お母さんにとってとても大事なんですよね。ちょっとした時間で気持ちが晴れやかになって」
前田:「相談に乗ってくれる人がいるって本当にありがたいよね。私は幼稚園に救われたかな」
北村:「うちの子が通っている幼稚園は、先生から教えるだけでなく、自分で考えられるようにっていう教育方針なんだよね。子ども同士で話し合う時間を設けたりしてるし、自分がうまく表現できない子にも先生がフォローしてあげたりして。かといって自由なだけでなく、きちんとルールを守ることも教えているし」
前田:「自分らしさを認めてくれる環境、それを表現していい環境っていいよね。お二人のお子さんは習い事してる?」
山下:「うちはピアノと英会話とスキーと、あと慶子さんがやってくれてる水泳かな」
北村:「うちは子どもが学校の体験で茶道に興味を持って、お稽古に通い始めたよ」
前田:「名寄は習い事もいろいろあるし、チャレンジすると道が開ける街だから、その感覚を子どものころから体験してもらいたいよね」
「いまやりたい!」に素直になる。それを応援してくれる人や仲間がいる。
北村:「私、『マゼコゼノハコ』を立ち上げたときって、子どもがまだ小さくて手がかかる時期だったんですよね。それでも、どうしてもやりたい!時間がないからこそ自分のやりたいことやりたい!っていう想いが強くて。今は子どもが幼稚園と小学校に進んで自分の時間が増えたんだけど、なぜか前よりも子どものために時間を費やしたいなと思うようになりました。不思議なんだけど。久枝さん、看護師の仕事も再開したよね。忙しそうだけど、どう?」
前田:「やりたい、って思った時にやるって大事だよね。で、いまは子どもと一緒にいたい。私も昨年のブラックアウトの後、そんな気持ちが高まってきたの。いまは自分の持っている資格を活かしてメリハリをつけやすい仕事ができて、子どもの時間もしっかりとれるようになってありがたいですね。ベビーマッサージやスキンケアの資格で得た知識とか技術を施設の利用者さんにも活かせて、いま、一番、心地いいかも。」
山下:「自分の時間・・・って仕事も自分の時間だから、区分けが難しいんだけど、できるだけ、子どもと一緒にできることは一緒にするようにしています。現在の仕事も申請すれば、1‐2時間早く上がれるんです。いま育休中で、復帰後の働き方で迷ってたんだけど、数時間ちょっと早く帰るだけで心に余裕が生まれて、学校から帰ってきた子どもの話がゆっくり聞けるんだったら、そうしたいと考えているんだよね」
北村:「そうこうしているうちに、子どもは子どもの世界ができていって、離れて行っちゃうんだよね(笑)」
山下:「そうそう、子どもが小さいうちは、母同志のつながりで子どもが仲良くなっていったけど、小学校、中学校と上がっていくと、子ども同志のつながりがあって、親同志の新しいつながりが生まれていく。あっという間なんでしょうね」
北村:「子どもにはありのままで育っていってほしいよね。私も、やりたいことを好きなようにやっているし、そんな環境が名寄にあって本当にありがたいね」
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